



「第1回新聞なぞとき研究コンクール」概要
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主 催
- 朝日新聞大阪本社・朝日学生新聞社
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後 援
- 大阪府教育委員会、京都府教育委員会、兵庫県教育委員会、滋賀県教育委員会、
奈良県教育委員会、和歌山県教育委員会
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応募期間
- 2021年6月~9月
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対象学年
- 小学校4年生から中学校3年生
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応 募 数
- 480点
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選考委員
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- 代表
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藤原 孝章(同志社女子大学特任教授)
- 委員
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安田 陽子(大阪NIE推進協議会事務局長)
磯田 晴久(朝日新聞大阪本社 代表室長)
植田 幸司(朝日学生新聞社 企画担当部長)


全体講評
待ち望んでいた「新聞なぞとき研究」コンクール第1回目の作品をみることができました。関西を中心に小学校4年生から中学校3年生までの皆さんから480作品が集まりました。私たちは、なぜという問いの立て方や答えの見つけ方、手作りの図表など表現の仕方や伝え方、そして何よりも自分自身の体験を踏まえた問いや、次の問いを呼ぶような深掘りの問いを期待して審査し、各学年で最優秀と優秀作品を選びました。
なぞときには二種類の問いがあります。一つは、気になることばの意味を問うものです。重要で基礎的な知識について辞書やインターネットの検索を活用して答えを求めることができます。もう一つは、なぜ、どのように、どっちなど、理由を追求し、考えを深め、何がよいかを判断するような問いです。これらは、なぞときを自分ごとととらえ、知識を活用し、探究して見つけることができる答えです。今後もワクワクするような「新聞なぞとき」研究を期待しています。
選考委員代表:藤原孝章 教授
(同志社女子大学)


小学校4年生
受賞者のことば
とても嬉しいです。今まで知らなかったことが知れ、興味を持つきっかけになりました。来年度もチャレンジしたいです。ありがとうございました。
藤原教授の講評
今村聡太さんは、EUの地球温暖化対策に着目しています。短い記事ですが、EUや再生可能エネルギー、温室効果ガス、風力発電、太陽光発電など多くのなぞときワードを設定しています。ことばの意味だけではなく、記事にはない風力発電と太陽光発電のメリットとデメリットまで問いを深掘りして追究している点がよかったです。
優秀賞
小学校5年生
受賞者のことば
わたしは、たくさんの分からない言葉を調べる事から始め、意味が分かれば、その言葉が別の場面で使われたらどんな意味になるのか?なども調べてみました。色々調べていく事で「なぞとき」ができ、頭の中がすっきりしました。 意味が分かってからもう一度記事を読むと、最初に読んだ時と違うとらえ方ができたり、記事を書いた人が何を伝えたかったのか分かった気がしました。 これからも「なぞとき」にチャレンジしたいと思います。
藤原教授の講評
竹葉ひかるさんは、実際にあった沖縄戦の戦争体験者の証言をもとになぞときをしています。読み応えのある長文の新聞記事から、艦砲射撃、壕(ガマ)、捨て石、非国民、召集などのことばの意味を調べ、76年前の「世界のどこか」ではなく、自分ごと、身近な課題として証言を追っています。手書きの沖縄地図がよかったです。
優秀賞
小学校6年生
受賞者のことば
今回、最優秀賞の知らせを受けて、とてもびっくりして、嬉しくて飛び上がってしまいました。「なぞときチャレンジ」に取り組むと、新聞記事をより詳しく、分かりやすく、楽しんで読めました。また、新たな学びをたくさん得ることができ、とてもおもしろかったです。これからも気になったことはじっくり調べて、世の中の事、自然の事など、様々なことを楽しみながら知っていけたら良いなと思います。
藤原教授の講評
村井陽紀さんは、クマムシという生物が隕石と共に地球に衝突しても生き残る可能性に着目しています。隕石、彗星、極地、乾眠など、極限に生きる微小な生物に興味を持ってなぞときをしています。普段は見逃してしまうような記事から、どうなったら死ぬか、といった問いもたて、答えを導き出そうする探究の姿勢が見られます。
優秀賞


中学校1年生
受賞者のことば
僕は最初新聞を読む事が苦手でした。でも、学校で新聞を読むという授業の時に、先生が読み方を丁寧に教えて下さったので、新聞を読む事が好きになりました。また、新聞には様々な記事が載っているので、今まで関心がなかった事柄にも興味を持つ事ができるようになりました。これからは、様々な記事を読んで、視野を広げるとともに、新聞なぞとき研究の方法を取り入れて、深い知識を身に付けたいと思います。
藤原教授の講評
寺田龍平さんは、G7サミットと中国に着目して、新型コロナのもとでの国際関係についてなぞときをしています。パンデミック、ワクチン、途上国、気候変動、温室効果ガス、民主主義国家、台湾海峡など多くのキーワードを見つけ、今、世界で何が起き、世界はどう動いていくのかといった問いを立て追究をしているところがよいです。
優秀賞
中学校2年生
受賞者のことば
この度はこのような賞を頂き、うれしくもありびっくりしています。新聞は毎日読んでいますが、自分の興味があること以外の記事からもいろんなことを学び考えさせられています。 なぞとき研究に参加し、難しそうな記事の内容を深く読み解くおもしろさを知りました。仕上がった時には達成感もありました。 これからもいろんな記事を読んで、学びを深めていきたいと思います。ありがとうございました。
藤原教授の講評
水瀬岳さんは、大阪万博会場となる夢洲に生息するコアジサシという絶滅危惧種に着目しています。レッドリスト、営巣、過去の万博といったなぞときワードをもうけ、SDGsや生物多様性を身近な問題としてとらえています。記事の中の意見に対して、SDGsを意識した環境に優しい生活など自分の意見をしっかりと書いているところもよいです。
優秀賞
中学校3年生
受賞者のことば
この度は最優秀賞という栄誉ある賞を受け、感激の思いでいっぱいです。新聞をテーマとしたコンテストへ参加するのは初めてで、多数の応募の中から自分の作品を選んで頂いたことに驚いています。制作中、社会の出来事への理解が重要だと学ぶことができ、とても充実した時間となりました。今後も正しい情報を活用することを心がけたいです。 今回の研究コンクールを企画していただいた朝日新聞の皆様、ありがとうございました。
藤原教授の講評
成田瑞穂さんは、アフガニスタンのカブール国際空港でのテロ事件について、タリバンの歴史、IS―Kとタリバンの正体、各勢力の関係、タリバン政権の今後、アメリカはどうする、といったキーワードをもとに、なぜやどうして、これからといった問いを自らたて、事件の背景を探り、国際情勢を読み解き、深く学ぼうとしています。
優秀賞


2021年11月28日、朝日新聞大阪本社にて表彰式が行われました。
朝日新聞2021年7月11日付記事、2021年7月22日付記事、2021年7月17日付記事。
朝日新聞社使用承認済み。朝日新聞社に無断で転載することを禁じる。
毎日新聞2021年8月27日付記事。毎日新聞社使用承認済み。











